だいぶ前に戻っていた宿題ですが・・

 かなり手直ししないとアップできないぞ、ということから、放置してありました。

 やっと手直ししたので、恥ずかしながらお披露目。設定は、乳がんの再発で亡くなった栄子さんが生前に語ってらしたエピソードを思い出して書きました。設定の詳細は、シナリオ教室の仲間、関係者でないとちょっとピンと来にくいかとは思うのですが、この講座では2回目の教室のとときに「受講のきっかけ」を発表することになってるのと、仮に休んだとしても同じカリキュラムを来期に受講できるので、そのシチュエーションも利用させてもらいました。実際に栄子さんが通っていた講座が何だったのかは、今となっては分からずじまい。なので、もしかしたらシナリオ教室だったりして!?と想像をめぐらしてみたわけです。あ、もちろん「昔の恋人」とかもろもろは殆んどすべて創作ですよ。



別れ




   もう一度会いたい




 人物

 青木玲香(45)主婦
 加藤透(45) 玲香の昔の恋人






○走っている東横線・上り車内
   青木玲香(45)が座っている。
   車窓からは桜が見える。

○青山クレヨンハウス・カフェレストラン・中
   加藤透(45)がテーブルで食事を終える。
   カウンター席で、玲香がコーヒーをか
   たわらに書き物をしている。
   加藤が玲香に気づき、近寄る。
加藤「玲香。久しぶり。元気そうだね。てっ
 きりボストンかと思っていたよ」
玲香「まあ……。お久しぶり。主人の転勤は
 もう10年前よ。とっくに帰ってました(笑)。
 ここに来たらあなたに会えそうな気がして
 たけど、まさかほんとに会えるとはね」
加藤「懐かしいな。今住んでるのは都内?」
玲香「いいえ、横浜。あなたは? 結婚した
 んでしょ?」
加藤「うーん、それがさ。俺今んとこシング 
 ル」
玲香「じゃあ、バツ……2?」
加藤「ま、そういうわけ。どうもあちこちに
 目移りしちゃう性分は変わらないわけよ。
 ところでさ、今日はもしかして仕事?」
   加藤、玲香の隣に座る。
   玲香、ノートを閉じる。
加藤「あ、ごめん。詮索してるわけじゃない 
 よ。そんなふうに感じたんなら、謝るよ」
玲香「(笑いながら)今この近くで習い事をし
 ていてね、その授業のノートなの」
加藤「何習っているの?」
玲香「ナイショ」
加藤「子育ても主婦業も仕事もしていて、勉 
 強もしてるなんて、偉いな」
玲香「母に手伝ってもらえるから。そんなこ
 とより、あなたは仕事中じゃないの?」
   加藤、腕時計を見る。
加藤「いっけねえ! 戻らなくちゃ。……ね
 え、また会えないかなあ?」
玲香「ヒトヅマを誘って、わるい人ねえ」
加藤「毎週水曜なんでしょ? ランチくらい 
 いいじゃないか」
玲香「いいわ。じゃあ11時半に来てる」

○クレヨンハウス・中
   加藤と玲香がテーブル席で楽しげに食
   事をしている。
加藤「へえ。それじゃあ、今勉強しているこ
 とを本職にしたいわけ?」
玲香「そう。だから真剣にやってるわけよ」
加藤「じゃあそれが何なのか、もうそろそろ
 俺に教えてくれたっていいじゃない。ご亭
 主はもちろん知ってるんでしょう?」
玲香「ほんとに誰にも教えてないのよ」
   加藤、口をとがらせるが、仕方ないな、 
   といったそぶりをする。

○クレヨンハウス・中
   玲香、浮かない顔で加藤を待っている。

○クレヨンハウス・中   
   玲香と加藤が食後のお茶を飲んでいる。
加藤「え? ガン? ガンて、あのガン?」
玲香「そう。定期健診で再発が見つかったの。
 来週入院するから、しばらく会えないわ。
 心配させて、ごめんね」
加藤「何て言っていかわかんないよ。こんな 
 ときにも淡々としていて、ほんとに偉いん
 だな。強いんだな」
玲香「私は偉くも強くもない。でもがん患者
 は、手術をしたときからがほんとの戦いな
 の。再発の恐怖にさらされてるうちに、再 
 発したらそれも運命って気持になるのよ」
加藤「お見舞いに行かせてくれない?」
玲香「ほかの友だちにもお断りしてるから」
   加藤、子どものように泣く。
玲香「講座は、来期にまた受けさせてもらえ
 るの。そしたらまたここで一緒にランチし
 てね」
加藤「……うん。待ってる」
玲香「完治したら盛大なイベントをやって、          
私は新しい仕事に羽ばたきます!って宣言
 するつもりだったの。ちょっとスケジュール
 が伸びちゃっただけよ」
   
○加藤の勤める広告制作会社・中
   携帯電話が鳴り、電話に出る加藤。
加藤「あ、玲香のお母さんですね。……はい。
 ……。いえ、僕は告別式はご遠慮させてい
 ただきます。お知らせくださって、ありが
 とうございました……」  

○クレヨンハウスそばの「青山シナリオ・センター」・前
   「シナリオ作家養成講座」のポスター
   に見入っている加藤。
   受付に向かい、スタッフに声をかける。 

○シナリオ・センター教室・中(夜)
   「入学の動機」を発表している加藤。
   じっと聞き入っている講師。他の受講
   生たち、うなずいたりもらい泣きをしている。
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by yuuko_watanabe3 | 2008-07-30 10:11 | 映画/シナリオ

わたなべゆうこです。blog名を「女は51から」より変更しました。


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