久々にいい味のアメリカ映画を見ました
タイトルは「最高の人生の見つけ方」(原題:The Bucket List)。
原題は訳しにくかったというのもあるんでしょうけど、邦題がダサすぎるのは困ったもんですね。今に始まったことじゃないけど。
主演はジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンの2人。
異なる立場の2人の葛藤と成長の物語というのは、故伊丹十三に言わせるとアメリカ映画の定番中の定番。別に伊丹氏に言われなくてもコンビが出てきて色々やるアメリカ映画が多いのは誰だって知ってるでしょ、って感じではありますが、ほんとにアメリカ人てこのシチュエーションが好きでたまらないみたいですね。もっとも、伊丹氏のエッセイに、定番だからってあなどってはいけない、アメリカの映画人は、このシチュエーションを飽きささずに見せるためにどれだけの努力をしてるか、ってなことが書かれてた記憶があります。この映画もしかり。ちゃんと見ごたえがありました。
それぞれ余命数ヵ月と言われた2人の老人が死ぬ前にやりたかったリストを作り、旅行へ出かける、と、簡単にストーリーを書くとこんな感じですが、これだけ読むと「死ぬまでにしたい10のこと」を思い出してしまいますし、題材のヒントにしていることは間違いないと思われますが、味わいは全然別。あちらはトレーラー暮らしの若い女性だったし、こちらはアメリカの大金持ち。それにしても、ゴージャスな専用機に乗って出かける先がチョモランマやピラミッド、というんですから、現実味はありません。でも、いいじゃないですか、こんな夢も。実際にはすべてが本物のロケではないな、ということがありありだったけど、合成が当たり前の媒体ですからねえ映画って。話とはむしろ裏腹にややチープな作りも垣間見えて、そのハーフシリアスな感じがわるくありません。
見終わったら、金持ちのたわごと、それにまたのっかる一般ピープルというのはリアリティない、という批判が起きるだろうなあと思いつつ、これはハナからそういう反論を受け付けるつもりなどないファンタジーなんだなあ、と思いました。アメリカ映画はこういうシリアスな状況とファンタジーを組み合わせてナチュラルに見せてしまうテクニックにおいては、ほんとに長けていますねえ。いや、このロブ・ライナーという監督が、でしょうか。定番のキャラを演じて破綻のない2人の名演技と、最初は単なる脇役にしか見えなかった秘書氏のイイ味で、最近見た映画ではなかなかGOODでございました。
だけど「ファンタジー」と書きましたが。この映画は必ずしもファンタジーと言い切れない面もあると思うのですよ。すでに亡くなった人ですが、私が知っていたある終末期の人は、家族と一緒に最後の海外旅行へ行き、再入院のさなかにも遊園地や温泉に行くなど、ふつうの生活を楽しみ、そして亡くなっていきました。死は生の続きで、死ぬ最後の瞬間まで人は生きている。その人らしい生をまっとうしようよ、それでこその人生だ。私も彼女や多くの先達からそう学んできたし、この映画もそういうメッセージを発しています。自分の死生観にもフィットしたからかな、後味もとてもよかったです。
ところで。そもそも、せっかくたまに2人で出かけるなら、1人1000円で見られる「50代夫婦割引」使おうよ、と私はたびたび言ってきたのに、「どうせそのうちにTVで見られる」と断り続けてきた、うちのオット。私が昨日書いた「もう少し素直にうんと言えばいいのにね」を読んだせいかどうかは知りませんが、昨日はもめずに鑑賞と相成りました。
そうそう、この映画、平日の昼間なのにけっこう観客が入っていましたよ。もしかしたら静かなヒットになるかもしれませんね。
原題は訳しにくかったというのもあるんでしょうけど、邦題がダサすぎるのは困ったもんですね。今に始まったことじゃないけど。
主演はジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンの2人。
異なる立場の2人の葛藤と成長の物語というのは、故伊丹十三に言わせるとアメリカ映画の定番中の定番。別に伊丹氏に言われなくてもコンビが出てきて色々やるアメリカ映画が多いのは誰だって知ってるでしょ、って感じではありますが、ほんとにアメリカ人てこのシチュエーションが好きでたまらないみたいですね。もっとも、伊丹氏のエッセイに、定番だからってあなどってはいけない、アメリカの映画人は、このシチュエーションを飽きささずに見せるためにどれだけの努力をしてるか、ってなことが書かれてた記憶があります。この映画もしかり。ちゃんと見ごたえがありました。
それぞれ余命数ヵ月と言われた2人の老人が死ぬ前にやりたかったリストを作り、旅行へ出かける、と、簡単にストーリーを書くとこんな感じですが、これだけ読むと「死ぬまでにしたい10のこと」を思い出してしまいますし、題材のヒントにしていることは間違いないと思われますが、味わいは全然別。あちらはトレーラー暮らしの若い女性だったし、こちらはアメリカの大金持ち。それにしても、ゴージャスな専用機に乗って出かける先がチョモランマやピラミッド、というんですから、現実味はありません。でも、いいじゃないですか、こんな夢も。実際にはすべてが本物のロケではないな、ということがありありだったけど、合成が当たり前の媒体ですからねえ映画って。話とはむしろ裏腹にややチープな作りも垣間見えて、そのハーフシリアスな感じがわるくありません。
見終わったら、金持ちのたわごと、それにまたのっかる一般ピープルというのはリアリティない、という批判が起きるだろうなあと思いつつ、これはハナからそういう反論を受け付けるつもりなどないファンタジーなんだなあ、と思いました。アメリカ映画はこういうシリアスな状況とファンタジーを組み合わせてナチュラルに見せてしまうテクニックにおいては、ほんとに長けていますねえ。いや、このロブ・ライナーという監督が、でしょうか。定番のキャラを演じて破綻のない2人の名演技と、最初は単なる脇役にしか見えなかった秘書氏のイイ味で、最近見た映画ではなかなかGOODでございました。
だけど「ファンタジー」と書きましたが。この映画は必ずしもファンタジーと言い切れない面もあると思うのですよ。すでに亡くなった人ですが、私が知っていたある終末期の人は、家族と一緒に最後の海外旅行へ行き、再入院のさなかにも遊園地や温泉に行くなど、ふつうの生活を楽しみ、そして亡くなっていきました。死は生の続きで、死ぬ最後の瞬間まで人は生きている。その人らしい生をまっとうしようよ、それでこその人生だ。私も彼女や多くの先達からそう学んできたし、この映画もそういうメッセージを発しています。自分の死生観にもフィットしたからかな、後味もとてもよかったです。
ところで。そもそも、せっかくたまに2人で出かけるなら、1人1000円で見られる「50代夫婦割引」使おうよ、と私はたびたび言ってきたのに、「どうせそのうちにTVで見られる」と断り続けてきた、うちのオット。私が昨日書いた「もう少し素直にうんと言えばいいのにね」を読んだせいかどうかは知りませんが、昨日はもめずに鑑賞と相成りました。
そうそう、この映画、平日の昼間なのにけっこう観客が入っていましたよ。もしかしたら静かなヒットになるかもしれませんね。
by yuuko_watanabe3
| 2008-05-12 23:51
| 映画/シナリオ
わたなべゆうこです。blog名を「女は51から」より変更しました。
by yuuko_watanabe3
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