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こっちも、秀作よ

 久々に、いい映画を立て続けに見たので、こちらもご紹介。

 前回の「僕の大事なコレクション」はアメリカ製作の映画ではあったものの、舞台は殆どウクライナ。
 本日のこちらは、レバノンの映画です。東欧、中東方面はさっぱり苦手な私ですが、映画を通じて学び直そうという機会が生まれるのはいいことだと思うわ。9月下旬というのに暑くてほかのことはやる気が起きない、ということを口実に映画ばかり見てるのも、考えものではありますが。まあそのあたりはもう少し涼しくなってからにしよう。

 今回ご紹介したいのは、「キャラメル」という映画で、まあいうなれば女性映画ですが、グフグフ、けっこうフェミしてるんですよ、これが。だけどとてもチャーミング。男が見て面白いかどうかは知ったこっちゃありませんが、主演もしてる監督がゴージャス美女ですから、彼女を見るだけでも一見の価値あり、と思います。

 では、例によってネタバレもありますので、それがおいやな方はMoreをクリックしないでね。







 不倫でも介護でもやっぱりワリ食ってるのはいつも女ジャン!!ということを、声高じゃなくユーモアをちりばめて、ほろ苦く甘く描いた、文字通り「キャラメル」味の秀作でした。ゴージャス美女の監督さん、演技も抑え気味でよいし、映像や音楽のセンスもよくて、才色兼備でズルーイ! ま、それはさておき(笑)。見終わって何が一番よいと感じたかと言うと、どの女性たちにも凛としたプライドが感じられる点です。見方によっては真逆にみじめな女性たちに見えるかもしれませんが、とんでもない。今までは抑圧もたくさんあったけれど、私はこの街が、国が好きだし、ここで前を向いて歩いて行くわ、という姿勢が感じられて、そこに感動します。象徴的なのが、脇役ながら典型的なレバノン女性?と見える美女が、旧来の価値観をそぎ落とすかのように長ーい髪をショートにし、通りすがりのウィンドウに映った自分の姿にほほ笑むラストシーン。ラストに主役クラスをもってこなかったところと、フェードアウトと同時に「我がベイルートに捧ぐ」と浮かぶ文字に、この監督さんの個性と強い意思も感じられます。でも、エンドタイトルにかぶる映像は、この後もひっそりと今まで通り支え合って生きていくんだろうなあという初老の姉妹の歩く姿。新旧世代・両方に温かいまなざしのある、ほんとにいい映画でした。登場人物のキャラのアピールやストーリー展開にもう少しメリハリがあると、もっとヒットにつながったかもしれませんね、そこはちょっと残念。
こっちも、秀作よ_b0071980_13334928.jpg
キャラメル【仏】 (2007年 96分)
監督・脚本・主演:ナディーン・ラバキー

by yuuko_watanabe3 | 2011-09-19 13:35 | 映画/シナリオ

わたなべゆうこです。blog名を「女は51から」より変更しました。


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